くりあげヘンサイ教の隠れ信者

usagitokame

「カメオの村ではどうなのかしら?こっちの村では、近頃くりあげヘンサイ教が勢力を拡大中で、入信した者たちがいろいろ被害にあっているらしいの。

昨日ついに〈被害者の会〉が結成されたくらいよ。その世話役としてサム爺が面倒を見ることになったんだけど、彼がイヤなことを言うのよ、カメオはいかにも入信しそうなタイプだったなって。

そう言われるとなんだか私も急に心配になって。」とミラー女史。

カメオは努めて冷静を装った。

「入信しそうなタイプってボクってどんなタイプに見えます?」

「そうね。安定した職業に就いていて、生真面目な性格で、自分は絶対に失敗しないと思いこんでいる。いかにも信者になりそうじゃない。」

うーん、たしかにそのとおりだが。

「住宅ローンの返済額を少しでも下げたいと願って、くりあげヘンサイ教には毎日たくさんの住宅ローン債務者が入信しているわ。

やっかいなのは、その教義が普通に聞いているといかにも真っ当て、誰も損をしそうにないところなの。

繰上返済を早くすれば、それだけ利払いが減りますとか、支出が増える時期は、返済額軽減型を選択すれば月々の支払いが楽になりますなんて、一見まともな話だけに性質が悪いの。

指導者たちもまったくの善意で布教しているから、余計この問題はややこしいわ。」

認めたくはなかったが、カメオは自分がくりあげヘンサイ教の隠れ信者かもしれないと感じ始めていた。

<続く>

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