優遇制度を利用することでかなりお得になるものもある?

usagitokame

休みの明けた月曜日の昼休み。誰もいない会議室に忍び込んだカメオは、携帯電話を耳に押し当て、まだかまだかと待っていた。

今度の土曜日、ウサコとカメオは、互いが最終的に選んだ住宅ローンをシロフク邸で発表することになった。その場でどちらのローンが最高のローンか決着をつけようというのだ。

最高もなにも、そんなことを競い合ってどうするのだという思いがカメオにはあったが、その一方、ウサコがこの競争に巻き込んでくれたおかげで、カメオの新築購入計画が飛躍的に前進したのもまた事実だった。

こうなったら最後までウサコの余興につきあってやるのも悪くない、それに大きな声では言えないが、ウサコの選ぶローンより自分の選ぶローンのほうが、あらゆる面から内容で上回っているに違いないという自負もあった。

ただカメオには、最後の最後でまだ判断しかねている懸案があった。些細なようだが、ここで差がつくことも十分あり得る。ウサコとカメオはこれまでほぼ同じ相手から指導を受けてきた。知識の差はほとんどないだろう。勝敗を分けるのはいつだって最後の一瞬なのだ。

カメオは呼出音を鳴らし続けた。きっとあの人なら、カメオの疑問に明快な答えを返してくれるに違いない。そう信じながら、呼出音はついに15回目を数えた。

「はいっ、もしもし。お待たせしてごめんなさい。」その声とともに、ミラー女史の颯爽とした姿が目の前に浮かんだ。カメオは単刀直入に切り出した。

「実は、住宅ローンについて調べれば調べるほど分からないことがあるんです。優遇制度のことです。住宅ローン商品によっては、優遇制度を利用することでかなりお得になるものもあるようですが、そもそも優遇制度とは何なのか、住宅ローンを選ぶ際どこまで考慮に入れればいいのか、それがよく分からなくて。」

「なるほど。優遇で悩んでいるところをみると、カメオも相当住宅ローンに詳しくなったみたいね。いいわ、教えてあげる。ちょうどいま一段落したところだから」

ミラー女史の厚意に、カメオはほっと胸をなでおろした。

<続く>

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