固定金利の場合も借り換えを試算

usagitokame

二人が画面をのぞき込むと、それはウサコが検討している変動金利の金利上昇が、トータルコストに与える影響をシミュレートしているもののようだった。

「変動金利で借入れをしてから何年間金利が低いままなら、変動金利が固定金利より有利になるかを、店頭金利が3%、4%、5%に上がった場合で試算しているんですね」カメオが訊いた。

「そのとおり。現実には、金利は上がったり下がったりするものじゃが、ここでは一度上がった金利はそのまま最後まで変わらないという前提で試算してみる。ただ、変動する可能性を考慮して、店頭金利の数字を3.4%、4.4%、5.4%にしておるのがミソじゃ。

シロフク先生の説明を遮るかのように、モニター上のグラフを見たウサコが大声をあげた。

「マジ~、店頭金利が3%までしか上がらなければ、変動金利の圧勝じゃな~い!」ウサコは狂喜した。

「だけど、店頭金利が4%まで上がるとすれば6年間、5%なら12年間は金利が上からないことを毎日祈り続けければならないってことだよ」カメオが負け惜しみのように横から口を出した。

「それはまあそうですけど……」

うつむきながらつぶやいたウサコだが、内心、10年くらいなら金利は上がらないだろう、この勝負、どうやらアタシの勝ちらしいなと秘かに確信した。

「では、せっかくだからカメオも試算しておこう」

先生の提案に、カメオは一瞬、何かカン違いしているのではないだろうかと思った。

「先生、ボクのローンは固定金利ですよ。最初から総支払額が決まっているのだから、将来のシミュレートなんて、やりようがないじゃないですか」

「〈何事も決めつけてはならん〉というのは、固定金利の場合も同じじゃ。この先金利が上がればフラット35Sを選んだカメオは相対的に得をすることになる。しかし、逆に金利が下がれば損をする。ということは、カメオが選んだフラット35から、さらに金利の下がったフラット35に借り換えれば、トータルコストで得をする場合もあるということじゃ。あらかじめ『金利が何%以下になったら借り換える』という基準を決めておき、その時が来たら速やかに行動に移す選択肢を持っておくのも、計画段階の準備の一つじゃ」

カメオは固定金利のローンでも、その先さらに別の固定金利のローンに借り換えるという選択肢があることに新鮮な驚きを覚えた。

<続く>

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