安いローンと安全なローン

usagitokame

村へ帰ってきて最初の土曜日、ウサコとカメオはシロフク邸の応接室に招かれていた。村に帰ってからというもの、二人はこれまで頭に叩き込んだことを忘れないうちにと、疲れたカラダにムチ打って、すぐさま
自分たちなりの方法で住宅ローン選びの作業に着手した。

まず、住宅ローンを扱う金融機関の情報をインターネットを駆使してできるだけたくさん集めた。続いて銀行に直接赴き、住宅ローンに関する資料を大量に入手した。

各金融機関の金利、オリジナルなサービスなど、細かなところもできるだけチェックした。自分が理想とする借り方・返し方の条件に一番近いローンはどれだろうか。ニ人は寝る問も惜しんで比較検討した。

しかし、どうしても分からないことがある。調べれば調べるほど分からないことが出てくる。分からないことがあればシロフクに聞けとクロ兄は言っていた。

ならばと、カメオがシロフク先生の家に電話をかけたとき、ウサコのスマホも同じ番号をコールしていた。

「だったら、二人まとめてワシの家に来るといい。」

シロフク先生はテーブルに滝れたての紅茶を三つ置くと、二人の向かいのソファにちょこんと腰を下ろした。ローン修業の土産話もそこそこにカメオが要件を切り出そうとすると、先生はやんわりとそれを制した。

「まずは現段階でおまえたちが目星をつけている住宅ローンと、それを選んだ理由を教えてもらおうかな。」

先に口を開いたのはウサコたった。「アタシはこんな感じです」。カメオも負けじと続いた。「ボクはこうなりました」。

先生は二人から、選んだ住宅ローンとその理由を聞くと、最後にコクリとうなずいた。

「うん、おまえたちの選択はなかなかのものじゃ。自信をもってよいぞ。」

2人のほほが一気に緩んだ。

「この時点で及第点を出してもよいところじゃ。だが、おまえたちはアドバイスがほしいと言ってウチまでやってきた。ということはこれが最終結論ではないということじゃ。それはとてもよい判断と言える。住宅ローン選びに『これで完璧』などというものはない。問題点をきちんと洗い出し、その問題を解決すると、また新たな問題が出てくる、その繰り返しでよりよいものに近づいていくのだ。」

2人はこれまでの苦労を思い出した。

<続く>

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