繰上返済をする資格があるのは10%くらい

usagitokame

「ところで。被害者って、具体的にどんな被害にあっているんです?」

「たとえばフラット35で借りた場合、100万円以上まとまれば繰上返済が可能になるから、おカネが貯まって多少の余裕ができた者は、喜び勇んで返済を始めてしまう、手数料もかからないしね。でも、その代わり子どもの教育費や老後の資金はいつまで経っても貯まらないまま。最悪の場合、新たな借金をせざるを得ないという本末転倒な事態に陥ってしまうの。これが被害者の典型的パターンね。」

カメオは30年後の自分の姿を思い描いてぞっとした。

「ねえ、カメオ」ミラー女史は続けた。「住宅ローンを返済していくうえで一番問題になりやすいことって何だか知ってる?金利の上昇はもちろんだけど、それより大きいのは、いま言った子どもの教育費や老後の生活費の確保が難しくなるってことなの、カメオのお子さんは今おいくつだっけ?」

「3歳と0歳です。」

「たしかこの前、教育費として月に5万円貯金していると言っていたわね。それは立派なことだけど、もし二人の子どもが私立の中学や高校に行くことになったら、おそらくその計画は、当初から大幅な見直しが必要になるわ。その先にある大学のことまで考えると結構頭の痛い問題よ。児童手当は制度の内容がころころ変わるから、いまいちあてにならないし。」

カメオは頭の中で猛然と計算を始めた。うーん、足りないかも。

「なのに、くりあげヘンサイ教の信者たちは嬉々として繰上返済金を上納して、何年後かに後悔するわけ。」

「でも、ボクの場合は〈毎月、自由に使えるお金〉を6%以上確保できるローン計画があるから、うまくいけば繰上返済も可能になるんじゃないかな。」

「やっぱりカメオは典型的な隠れ信者ね。隙あらば繰上返済したいって魂胆がミエミエよ。いいこと、繰上返済をしてもいいのは、教育費と老後資金の準備が十分に出来たうえで、さらに余剰資金が生まれたときだけ。将来的な支出の準備も出来ていないうちから返済に邁進するのが、本当に自分にとって有利な選択なるか、一度じっくり考えてみるべきね。あくまで私の感覚だけど、本当に繰上返済をする資格があるのはローンを組んでいる者全体の10%くらいよ。」

<続く>

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