金利予想というギャンブル

usagitokame

ウサコは急に黙りこくった。

「〈トータルコスト〉と〈毎月、自由に使えるお金〉。住宅ローンは常にこの二つの計測器を使って測ってみよと言ったな。

先ほどウサコは、変動金利と固定金利の場合を比較して、金利4.4%なら変動金利のほうがトータルコストが安いと知った。

だが、〈毎月、自由に使えるお金〉はどうじゃ? トータルコストは満足していても、(毎月、自由に使えるお金〉が破綻すれば計画は失敗じゃ。」

「ねえ、先生。もし金利が上昇して家計のやりくりに困ったら、そのときは皆どうするの?」

ウサコが不安げな目をして訊ねた。

「たいていの者は預金を切り崩すじゃろう。」

「預金が底をついたら?」

「金利の高い状態が続いて返済が厳しければ、条件変更、借り換え、さらには借金、贈与などさまざまな対策を視野に入れて検討していく必要がある。」

「それでもおカネを返せなかったら?」

「そのときは、銀行に行って返済が予定どおりにできないと相談する。住宅ローンは6ヵ月以上まったく返済しないでいると、いつ差し押さえが入ってもおかしくない。」

「最後は家を取り上げられてしまうのね。」

「そう、カバ蔵さんたちのようにね。」カメオが言った。

「あらためて言っておくが、変動金利の住宅ローンは金利予想というギャンブルにほかならない。ウサコは自分の家という資産を握り締めて、ルーレットの球がどこに入るか常に見張っている状態じゃ。この勝負、ウサコは必ず勝つ自信がおありか?」

「え? いや、まあ、そう言われると。」ウサコの声が急に小さくなった。

<続く>

This entry was posted in 未分類. Bookmark the permalink.

Comments are closed.